【2025年】看護師の離職率は高いのか?4つの理由と効果的な解決策をご紹介
看護師の離職率って本当に高いの?
看護師の離職率は高いと一般的に言われていますが、実際にどうなのでしょうか?
看護師の離職率は11.8%
2024年3月29日に公開された日本看護協会の「2023年 病院看護実態調査」によると、2022年度における正規雇用看護職員の離職率は11.8%で、2021年度よりも離職率は上がっていました。特に、既卒の看護職員の離職率は16.6%と昨年に引き続き高い水準でした。
【離職率の実態】看護師と全職種の比較
看護師の離職率と全業種の離職率の推移を比較してみると、以下の通りとなっております。
出典:日本看護協会「2023年 病院看護実態調査」結果(2024年3月29日)を参考に作成
出典:厚生労働省「令和元年~4年 雇用動向調査結果の概況」を参考に作成
看護師の離職率について、一般的に高いイメージを持たれがちですが、実際には他の業種と比較しても特に高いわけではなく、むしろ平均的な水準と言えます。確かに、看護師は過酷な勤務環境やストレスの多い業務に直面することがありますが、それを上回る職業的な魅力や安定した労働条件が、離職率を一定に保つ要因となっています。要するに、看護師の離職率は他業種と同様、働き方や職場環境に大きく依存します。
看護師の離職率が高い病院の特徴とは?
看護師の離職率は全体としては約1割となっていますが、病院によって離職率には違いがあります。では、離職率が高い病院にはどのような特徴があるのでしょうか?
民間病院である
看護師の離職率が高い病院の1つ目の特徴として、民間病院であることが挙げられます。
実際に、設置主体別の離職率を見ると※1、正規看護職員・新卒採用者・既卒採用者すべてで離職率が高かったのは「個人」でした。そのほか、全体的に法人病院の離職率が高いことから、「民間病院」の離職率も高いと言えます。
※1出典:日本看護協会「2023年 病院看護実態調査」結果(2024年3月29日)
民間病院の離職率が高い背景には、病床数が小さく、ワークライフバランスに取り組みにくい面があります。実際に2023年度の病床数別の看護師の離職率を見ると※2、病床数が多いほど離職率が高い傾向にあることがわかります。また、看護師の退職理由を見てみると※3、「子育て」や「結婚」「超過勤務が長い」「昇進・昇給・給与への不満」など、看護師はワークライフバランスや福利厚生の充実を重要視していることがわかります。
このことから、規模が小さい民間病院は、規模が大きい国立や公立病院と比較すると、福利厚生やワークライフバランスなど働きやすい環境の整備が行き届かず、離職率が高くなっていることが想定されます。
※2出典:日本看護協会「2023年 病院看護実態調査」(2024年3月29日)を参考に作成
※3出典:日本看護協会「2023年度「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・終就職に関する分析」結果」(2024年12月26日)を参考に作成
規模が小さい
小規模の民間病院は離職率が高い傾向があるとお伝えしましたが、実際に2022年度の病床規模別の看護師の離職率を見ると※4、病床規模が小さくなるにつれて離職率が高くなる傾向にあることがわかります。
※4出典:日本看護協会 「2023年 病院看護・助産実態調査 報告書」
~人手不足にお悩みの病院・クリニックのご担当者様へ~ |
都市部にある
都道府県別に看護師の離職率を見てみると、地域によっても大きな差があることがわかります。
都道府県 | 正規雇用 | 新卒 | 既卒 |
北海道 | 11.9% | 6.6% | 16.0% |
青森県 | 8.4% | 7.4% | 10.2% |
岩手県 | 6.5% | 7.1% | 10.7% |
宮城県 | 8.5% | 7.7% | 15.7% |
秋田県 | 7.5% | 5.6% | 14.9% |
山形県 | 8.2% | 6.4% | 9.5% |
福島県 | 9.6% | 8.7% | 15.2% |
茨城県 | 10.7% | 13.0% | 20.0% |
栃木県 | 11.3% | 10.6% | 13.7% |
群馬県 | 8.1% | 11.9% | 17.4% |
埼玉県 | 13.0% | 9.2% | 16.7% |
千葉県 | 13.6% | 11.4% | 14.5% |
東京都 | 15.5% | 12.7% | 19.1% |
神奈川県 | 13.7% | 10.6% | 15.2% |
新潟県 | 8.7% | 7.0% | 12.2% |
富山県 | 8.6% | 6.9% | 17.3% |
石川県 | 8.9% | 5.4% | 8.9% |
福井県 | 9.1% | 3.9% | 20.5% |
山梨県 | 10.7% | 11.3% | 15.4% |
長野県 | 9.3% | 7.6% | 10.9% |
岐阜県 | 11.1% | 9.6% | 17.1% |
静岡県 | 11.2% | 7.5% | 14.0% |
愛知県 | 12.7% | 8.4% | 16.0% |
三重県 | 11.2% | 7.4% | 8.2% |
滋賀県 | 12.6% | 7.0% | 18.4% |
京都府 | 11.2% | 6.0% | 12.4% |
大阪府 | 14.3% | 13.1% | 18.7% |
兵庫県 | 13.7% | 12.5% | 19.2% |
奈良県 | 11.7% | 5.9% | 20.1% |
和歌山県 | 10.5% | 10.4% | 7.9% |
鳥取県 | 7.2% | 8.1% | 10.7% |
島根県 | 9.3% | 5.7% | 14.6% |
岡山県 | 9.9% | 9.5% | 13.1% |
広島県 | 10.1% | 11.7% | 15.8% |
山口県 | 9.6% | 9.9% | 17.2% |
徳島県 | 7.2% | 9.5% | 17.4% |
香川県 | 8.4% | 16.9% | 13.5% |
愛媛県 | 10.9% | 10.2% | 21.0% |
高知県 | 10.2% | 25.5% | 14.5% |
福岡県 | 12.3% | 11.8% | 17.1% |
佐賀県 | 9.9% | 9.4% | 14.4% |
長崎県 | 9.8% | 10.6% | 22.9% |
熊本県 | 11.4% | 13.9% | 20.7% |
大分県 | 10.4% | 11.4% | 15.8% |
宮崎県 | 11.3% | 10.1% | 19.4% |
鹿児島県 | 12.4% | 8.0% | 20.0% |
沖縄県 | 13.4% | 8.1% | 19.7% |
出典:日本看護協会 「2023年 病院看護・助産実態調査 報告書」
正規雇用の看護職員における離職率が特に高い地域は、「東京都」(15.5%)、「大阪府」(14.3%)、次いで「神奈川県」と「兵庫県」(ともに13.7%)となっています。
この傾向から、都市部では看護師の離職率が高く、地方では比較的低いことがわかります。背景として、都市部は医療機関が多く転職しやすい環境が整っていることや、地方では親族と近くに住む人が多く、育児などで周囲の支援を受けやすいことなどが影響している可能性があります。
看護師が離職する主な4つの理由
では、看護師の離職率が高くなる要因はどこにあるのでしょうか?ここでは、キャリアアップやスキルアップ等のポジティブな理由で退職する場合を除いた、離職の主な理由を4つ解説します。
職場での人間関係に悩みがある
まず挙げられるのが、職場での人間関係での悩みです。看護師が携わる仕事は人の命に関わるため、ミスに対するプレッシャーが重く、指摘も厳しくなりがちです。人間関係の悩みの種類には、主に下記のようなパターンがあるでしょう。
・パワーハラスメント
・セクシャルハラスメント
・いじめや嫌がらせ
・コミュニケーション不足
労働環境が悪い
人手不足の状態で働いていると、1人あたりの業務負担が大きくなる傾向があります。看護師は24時間体制で業務に当たらなければならず、働き方の構造上、過酷な勤務体制を余儀なくされることも珍しくありません。夜勤が多いことにより生活リズムが乱れて体調を崩してしまったり、急患の対応など厳しいプレッシャーのもと肉体的にも精神的にも疲弊したりといった理由で退職する人が出やすい労働環境だと言えます。
また、看護記録の記入や2交代制、3交代制勤務の引継ぎを始業時間前や終業時間後に行うことが常態化している病院やクリニックもあり、見えない間に残業時間や負担の増加につながっているケースもあります。特に、先述した規模が小さい病院は、夜勤免除や、時短勤務など福利厚生が整っていない病院も多く、職員の満足度が低くなりやすい傾向にあります。
<看護師の労働環境>
・夜勤勤務がある
・2交代制・3校体制勤務である
・看護師記録や急患の対応
・休日出勤がある(勉強会・研修・委員会)
一定の夜勤回数を超えた場合、手当を増額する仕組みはあるものの、半数以上の病院が対応しておらず、仕事量に見合った給料がもらえていないことも離職の原因となり得ます。
結婚や妊娠といったライフステージが変化する
看護師には女性が多いため、結婚や妊娠・出産といったライフステージの変化を機に退職する人も多く出てきます。福利厚生や労働環境が整っている病院であれば残ることも考えられますが、病院の規模が小さく産休や育休が取りにくい場合、待遇の良い他の病院へ転職することも選択肢になってしまいます。
患者との関係性がうまくいかない
看護師は患者と直接接する職業であるため、患者からの暴言やストレスを受けやすく、それを理由に退職するケースもあります。特に新卒採用の看護師の場合、経験不足から患者に信頼してもらえないなどの理由で、コミュニケーションをうまく取れないこともあるでしょう。
患者さんとの信頼関係の築き方については以下の記事で紹介しています。

ここまでご紹介したように、人間関係や労働環境の悪さは看護師のモチベーション低下につながり、離職につながることはもちろん仕事のパフォーマンスにも大きく影響します。そこで、次章では、看護師の離職を防止するためにできることをご紹介します。
「離職していく看護仲間が多い・・・。」「看護師職員が長く働く職場づくりはどのように作るんだろう。」とお悩みの方はぜひご参考ください。
【離職防止策】看護師に長く働いてもらうために看護管理者ができることとは?
看護師の離職防止のために看護管理者ができることとしては、主に次の4つがあります。
福利厚生の充実
まず重要になるのが福利厚生の充実です。離職を防止するには、看護師が働いた時間に見合う分の給料の提供や昇給制度の見直しを行う必要があります。ほかにも、育休制度や産休制度、健康診断の充実など、プライベートに関わる福利厚生を充実させることで、ライフステージが変わった後でも離職せずに残ってもらいやすくなります。
ただ、福利厚生の充実、特に給料や昇給関連は病院の経営が関わってくるので、すぐに変えるのはなかなか難しいです。
仕事のオンオフを明確にする労働環境整備
福利厚生を充実させたとしても、労働環境が見直されていないと離職防止にはつながりません。労働環境の見直し例としては以下が挙げられます。
<労働環境の見直し例>
・夜勤や交代勤務の負担軽減
・休日出勤の見直し
・柔軟なシフト制度の導入
負担を軽減するには労働時間を減らすことが効果的であり、残業時間を削減するためには「仕事のオンオフを明確にした職場環境づくり」が大切です。先述のように、看護師は2交代制や3交代制勤務の引継ぎを始業時間前や終業時間後に行うことが慣習化していたり、それぞれ勤務時間が異なるため誰がどのくらい残業しているのかわからなかったりします。
残業時間削減の方法としては、現場の働き方に関する意識を醸成することに加え、ユニフォームの色を日勤・夜勤で使い分けるなどして視覚的にオンオフをつける方法があります。これにより、現場で働く看護師本人の意識を高めるだけでなく、管理職や他職種から見たときにも残業しているかどうかが明確になり、「年間900時間の残業時間の削減」につながった大学病院もあります。
残業時間を減らすための職場づくりについては、以下の記事で紹介しています。

職場で良好な人間関係を築き、協力し合える体制を整える
職場の人間関係を良好に保つことも離職を防止するうえで重要です。信頼関係を築くために上司と部下で1on1ミーティングを実施したり、気軽に意見を交換できる場を設けたりすることが大切になります。
また、看護師間で協力し合える関係性を構築するための工夫も行うと良いでしょう。チームナーシングやパートナーシップ・ナーシング・システムといった看護体制を採用したり、情報共有の精度を上げたりする取り組みがおすすめです。こういった制度を導入していれば、先述した患者との関係性がうまくいかないという悩みに対しても、相談やアドバイスがしやすい環境を作れます。また、個人がストレスを抱えている場合、互いにサポートしやすくなります。
先述した日勤者と夜勤者が区別できるユニフォームの色分けは、役割の違いを明確に示しつつ、業務を引き継ぐ際の協力体制を強化させる施策としても効果を発揮します。
看護師のモチベーションが上がる職場にする
ここまでご紹介してきた解決策以外にも、看護師のモチベーションを向上させる方法はないかを探していくことが重要です。看護師のモチベーションを維持できれば、離職の防止につながります。
モチベーションを上げる施策として、毎日着る医療用ユニフォームをおしゃれなウェアに変えたり、動きやすく肌触りが良いなど機能性の高いウェアにしたりするといった工夫もできます。
実際に「医療用ユニフォームの採用条件の違いが 看護師の心理やチーム医療にもたらす効果」に関して研究した学術論文によると、通常のユニフォームと比較して、好きなユニフォームまたは話し合いで決めたユニフォームを着用した場合、仕事に対するやりがい感が強くなったという結果が出ています。
出典;医療用ユニフォームの採用条件の違いが 看護師の心理やチーム医療にもたらす効果
看護師のモチベーションを上げる方法については以下の記事で紹介しています。

低下してしまう理由と回復させる方法とは
毎日着るメディカルウェアの更新で、職場改善を
先述した通り、看護師をはじめとした医療従事者の働きやすい環境整備や、チームワークの醸成、モチベーション向上を推進する方法として、メディカルウェアの改善が挙げられます。
ウェアの色分けをすることで生産性の向上が期待できるだけでなく、メディカルウェアの改善によって患者に安心感や信頼感を与えることもできます。
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