看護師の服装、「色」による違いとは?カラー別の効果や与える印象について
医療用白衣・スクラブは色選びが重要!
近年、白衣やスクラブのカラーは多様化しており、従来の白や青だけでなく、ピンクやミントグリーン、さらにはニュアンスカラーまで幅広い選択肢が登場しています。これにより、自分たちの職場や目的に合ったカラーを選びやすくなった反面、色選びの重要性もますます高まっています。
まず、選ぶべきは着る人の肌に馴染み、表情を明るく見せるカラーです。これにより、患者さんに親しみや安心感を与える効果が期待できます。
また、色が持つ心理的な効果を考慮することで、医療現場の雰囲気やチームのイメージをさらに引き立てることができます。
例えば、統一感のあるカラーを選ぶことでスタッフの一体感を高めたり、職場の雰囲気を和らげる効果を狙ったカラーを選ぶことで患者さんや同僚とのコミュニケーションを円滑にしたりすることが可能です。さらに、他院との差別化を図り、個性を打ち出すツールとしてもカラーの多様性を活かせます。
このような点から、白衣・スクラブの色選びは非常に重要です。
看護師の服装に白以外のバリエーションが増えた理由
近年、医療現場では白以外のユニフォームが広く採用されるようになってきました。こうした変化は単なるファッションの多様化によるものだけではなく、患者さんや医療従事者の心理的・物理的な負担を軽減するという実用的な理由があります。
まず、患者さんへの配慮として、白衣を見ることで血圧が上がる「白衣高血圧」という現象が挙げられます。特に高齢者に多く見られるこの現象は、日常生活では正常な血圧であっても、医療機関で白衣を目にすることで緊張感が高まり、血圧が上昇するというものであり、柔らかい印象を与えるカラーのユニフォームが導入される要因となっています。
また、医療従事者への配慮という側面もあります。手術中に血液や臓器の赤色を長時間見続けた後に白い壁や白衣を視界に入れると、赤の補色である青緑色の残像が浮かび上がる「補色残像」という現象が発生し、業務に支障をきたすことが指摘されてきました。こうした理由から、手術着として青や緑系のカラーが採用されることが一般的になっています。
一方で、白色のユニフォームが持つ清潔感や信頼感は依然として重視されており、色選びにおいては現場や目的に応じたバランスが求められます。
カラー別:患者さんに与える印象・効果
医療用白衣やスクラブが患者さんに与える印象や効果は色によって異なります。
一般的に、暖色系は活動的で親しみやすい印象を、寒色系は信頼感や落ち着きのある印象を与えると言われていますが、色ごとにさらに細かな特徴があります。それぞれの色が持つ効果を以下で解説します。
白(ホワイト)
白以外のカラーが増えているとはいえ、現在でも白は定番カラーの1つです。
光を反射するため明るい印象を持ち、衛生的で清潔感のあるイメージを与えられます。また、信頼感・責任感を象徴する色であり、自然治癒力を高める効果もあるとされます。
一方で、前述の「白衣高血圧」を引き起こす要因になりやすいほか、他の色に比べ透けやすいことには注意が必要です。
紺(ネイビー)
ネイビーのような濃い青系の色は落ち着いた印象を持ち、信頼感を与えるほか、集中力を高めたりストレスを和らげたりする効果があります。男女問わず着用しやすく、身体を引き締めて見せる視覚効果も特徴的です。
ブルー
ブルーは清潔感や冷静さを象徴する色であり、信頼感や誠実性を高める効果があります。爽やかな印象を与えるため、患者さんに落ち着きと安心感を提供できます。
また、どの年代や性別にも受け入れられやすいカラーであり、多くの医療現場で採用されています。
ピンク
ピンクには華やかさや癒し、柔らかといったイメージがあります。優しさや親しみやすさを持ちやすく、患者さんがリラックスできるような安心感を与えられます。
また、顔周りが明るくなる、血色がよく見えるなどの効果も期待できます。
特に女性の看護師や患者さんが多い産婦人科、美容クリニックなどで採用されることが多いですが、男性でも違和感なく着用できるデザインのスクラブも登場しています。
ただし、冷たさを感じさせる場合があるため、小児科のように安心感が重視される現場では避けた方が良い場合もあります。
ミントグリーン・ライトブルー
寒色系かつパステルカラーであるミントやライトブルーは、さわやかで清涼感のある印象を与える色です。落ち着きや誠実性、信頼感を患者さんに感じさせる効果も期待できます。
一方で、白と同様に透けやすい場合があるため、透け防止機能のあるユニフォームを選ぶことが推奨されます。
グレー
白と黒の中間色であるグレーはどのような色とも相性が良く、落ち着いた印象や上品で洗練された印象を与えられます。
主張が強くないため、他の色を引き立てる効果があり、アクセントとして取り入れる場面がよく見られます。
黄色
黄色は注意を引く色であり、エネルギッシュな雰囲気を作るのに適しています。明るい印象を与えられ、不安を解消する効果も期待できます。
ただし、明るく目立ちすぎるため、医療用ユニフォームではくすみをもたせた色やベージュ系の色が採用されることが一般的です。
赤
赤は生命力や活力、情熱を象徴する色であり、温かみのある印象を与えます。
ただし、緊急性や血液を連想させるため、医療現場ではワインレッドやバーガンディなどの落ち着いたトーンが好まれます。
パープル
パープルは高貴さや洗練、創造性を象徴する色です。落ち着きと華やかさを兼ね備えており、患者さんに安心感を与えます。
一方で、使い方によってはミステリアスで個性的な印象を与える色でもあるため、医療現場に取り入れる場合は、明度や彩度が高すぎない落ち着いた色を採用するとよいでしょう。
ベージュ
ベージュはナチュラルで穏やかな印象を与える色です。柔らかく親しみやすいイメージを持ち、医療現場でも幅広い世代に受け入れられやすいのが特徴です。
また、温かみがありつつ控えめな色合いのため、さまざまなユニフォームに調和します。
カラーは使い方によって、労働環境の改善にも役立つ
医療用白衣やスクラブの色は、患者さんに与える印象や効果だけでなく、スタッフの労働環境や業務効率の改善にも役立つことがわかっています。
例えば、日勤・夜勤によってユニフォームの色を分けることで、日勤スタッフと夜勤スタッフがひと目で把握でき、交代時の業務の引継ぎがスムーズに行えるようになります。時間外勤務をしているスタッフもすぐに見分けられるようになるため、業務効率化と時間外労働時間の削減に寄与します。
実際にとある大学病院では、日勤者・夜勤者のユニフォームの色分けを行った結果、残業時間を 1/3 に削減することができました。
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また、役割や職種によってユニフォームの色を変えることでスタッフの役割がひと目でわかるようになり、チームとしての連携を高める効果も期待できます。
品質とファッション性を両立させた医療用白衣「ラフィーリア」
オンワードコーポレートデザインでは数々のアパレルブランドを展開するノウハウを生かし、品質とファッション性を両立させたメディカルウェアブランド「Raffiria」をご提供しています。
ラフィーリア独自の豊富なカラーバリエーションがあり、患者さまに与える印象を考慮しながら、着る人の表情を明るく見せるカラーを用意しています。
主なシリーズには以下のものがあります。
Botanical Garden(ボタニカルガーデン) 男女の骨格や筋肉のつき方の違いを考慮し、それぞれをより美しく見せる男女別シルエットを採用しています。 |
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![]() | Colorfast(カラーファスト) ラフィーリア史上最軽量&高通気のシリーズです。糸になる前の原料の段階で色を付ける原着素材を使用しているため、繰り返しの洗濯でも色落ち、色褪せしがにくく、発色が長続きします。 男女の違いを考慮しつつ、ムダなゆとりを省きながら動きやすさも重視した男女兼用シルエットです。 |
&COLOR(アンドカラー) 色のチカラと役割を考え、「色」で新しい働き方をサポートするというコンセプトのもと誕生したシリーズです。 職種でカラーを分けることで患者さまがスタッフを認識しやすくなり、勤務時間で色分けすることで日勤・夜勤の交代をスムーズにする効果があります。明るいカラーやシックなカラー、くすみカラーなど豊富なバリエーションを用意しています。 |
各シリーズの詳細はカタログをご覧ください。
カタログ

アパレルメーカーのオンワードコーポレートデザインだからこそできる品質とファッション性を両立させた医療白衣ブランド「ラフィーリア」の総合カタログ(156p)です。