人手不足解消・離職防止策

【2025年最新版】看護師の離職率は高いのか?4つの理由と効果的な解決策をご紹介

2025.12.25
看護師の離職は医療現場にとって深刻な課題です。特に、個人病院や小中規模の病院は人手不足が進んでいるところが多く、個々の看護師の業務負荷が過重になる傾向があるため、いかに看護師の離職を防止するかが重要になります。 また、近年のニュースでも「看護師の離職率や定着率の改善に向けた病院の取り組み」が取り上げられています。2025年に入ってからも、厚生労働省や各地の医療機関で「定着率向上」や「夜勤負担の軽減」「子育て支援強化」などをテーマにした議論や施策が報じられており、社会的な関心は一層高まっています。それにもかかわらず、日本看護協会の調査では、離職率が依然として高い水準にとどまっていることが報告されています。こうした状況から、看護師の人材確保と定着は、もはや病院経営全体に関わる課題として注目されています。 そこで本記事では、看護師の離職率の実態や、離職の理由、離職防止のための方策について解説します。

看護師の離職率って本当に高いの?

看護師の離職率は高いと一般的に言われていますが、実際にどうなのでしょうか?

看護師の離職率は11.3%

2025年3月31日に公開された日本看護協会の「2024年 病院看護実態調査」によると、2023年度における正規雇用看護職員の離職率は11.3となっています。

離職率は依然として二桁台で推移しており、特に既卒職員の離職は病院経営や人材確保に大きな影響を及ぼしています。つまり「少し改善したから安心」とは言えず、依然として看護師の離職は深刻な課題です。

 

出典:日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」結果(2025年3月31日)

【離職率の実態】看護師と全職種の比較

看護師の離職率と全業種の離職率の推移を比較してみると、以下の通りとなっております。

出典:日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」結果(2025年3月31日)を参考に作成
出典:厚生労働省「令和元年~5年 雇用動向調査結果の概況」を参考に作成

看護師は「勤務環境が厳しく、ストレスが多い職業」というイメージを持たれることが少なくありません。一方で、実際の離職率を全業種(一般労働者)と比較すると、看護師の離職率が特別高いわけではなく、むしろ直近では全業種平均を下回っています。

全業種の離職率は2022年度11.9%から2023年度12.1%へ微増しており、看護師の離職率は2023年度11.3%と、やや低い水準にあります。これは、看護師という職業が持つ専門性や安定した雇用条件が、一定の離職を抑える要因となっている可能性を示しています。言い換えれば、看護師の離職率は他の業種と同様に、働き方や職場環境の影響を大きく受けるといえるでしょう。

看護師の離職率が高い病院の特徴とは?

看護師の離職率は全体としては約1割となっていますが、病院によって離職率には違いがあります。では、離職率が高い病院にはどのような特徴があるのでしょうか?

民間病院である

看護師の職率が高い病院の1つ目の特徴として、民間病院であることが挙げられます。

2023年度の設置主体別データを見ると、「個人」は正規職員12.1%、新卒採用者11.8%、既卒採用者24.4%と、特に既卒で突出しています。「医療法人」も正規14.4%、新卒10.8%、既卒 18.2%と全体平均を上回る水準で、「社会福祉法人」も正規12.0%、新卒12.1%、既卒 20.8%と高めです。こうした結果から、民間病院は公的病院と比べて離職率が高いと言えます。

※1出典:日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」結果(2025年3月31日)

民間病院の離職率が高い背景には、病床規模と働きやすさが関係しています。2023年度の病床数別※2では、100~199床が最も高く、20~99床・200~399床がそれに続いています。また、看護師の退職理由を見てみると※3、「子育て」や「結婚」「超過勤務が長い」「昇進・昇給・給与への不満」など、看護師はワークライフバランスや福利厚生の充実を重要視していることがわかります。

このことから、小・中規模の民間病院は、規模が大きい国立や公立病院と比較すると、福利厚生やワークライフバランスなど働きやすい環境の整備が行き届かず、離職率が高くなっていることが想定されます

※2:出典:日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」(2025年3月31日)を参考に作成
※3:出典:日本看護協会「2023年度「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・終就職に関する分析」結果」(2024年12月26日)を参考に作成

規模が小さい

小規模の民間病院は、看護師の離職率が高い傾向があります。日本看護協会の調査では、99床以下および100〜199床の病院で離職率が12.6%と最も高く、病床数が増えるにつれて離職率は低下し、400床以上では10.4%となっています。この結果から、病床規模が小さいほど人員配置や労働環境の整備が難しく、離職率が発生しやすいことがデータからも裏付けられます。

※4出典:日本看護協会 「2024年 病院看護・助産実態調査 報告書」

都市部にある

都道府県別に看護師の離職率を見てみると、地域によっても大きな差があることがわかります。

都道府県

正規雇用

新卒

既卒

北海道

11.5%

5.9%

16.6%

青森県

8.6%

10.7%

16.7%

岩手県

6.8%

7.8%

19.1%

宮城県

9.1%

7.1%

12.4%

秋田県

7.4%

5.0%

7.3%

山形県

6.8%

6.2%

12.7%

福島県

9.2%

7.9%

15.4%

茨城県

10.1%

5.4%

14.5%

栃木県

10.2%

9.2%

16.6%

群馬県

8.1%

9.4%

18.2%

埼玉県

12.4%

8.9%

17.4%

千葉県

12.6%

8.6%

14.2%

東京都

14.2

11.7%

15.6%

神奈川県

13.6

9.9%

18.0%

新潟県

9.7%

8.0%

9.7%

富山県

7.6%

2.8%

14.4%

石川県

9.3%

4.8%

14.5%

福井県

8.2%

4.7%

9.0%

山梨県

11.3%

7.2%

14.6%

長野県

8.8%

7.8%

13.1%

岐阜県

10.3%

7.6%

16.8%

静岡県

9.6%

6.5%

14.7%

愛知県

12.1%

8.1%

16.3%

三重県

10.2%

6.1%

13.8%

滋賀県

10.0%

5.1%

9.2%

京都府

12.3%

5.8%

16.6%

大阪府

13.7

11.3%

17.7%

兵庫県

13.1%

9.8%

16.8%

奈良県

11.8%

7.4%

14.2%

和歌山県

10.6%

6.6%

16.6%

鳥取県

8.5%

8.3%

14.6%

島根県

8.4%

7.0%

12.3%

岡山県

10.1%

6.4%

14.7%

広島県

10.3%

9.5%

15.1%

山口県

9.5%

10.6%

16.6%

徳島県

7.9%

4.9%

17.7%

香川県

8.1%

15.2%

14.6%

愛媛県

11.3%

10.4%

13.8%

高知県

9.2%

8.3%

13.9%

福岡県

11.7%

9.4%

17.9%

佐賀県

8.5%

9.5%

8.3%

長崎県

9.0%

9.4%

12.5%

熊本県

10.5%

9.0%

17.5%

大分県

9.9%

8.6%

22.4%

宮崎県

9.5%

7.2%

14.7%

鹿児島県

13.0%

9.1%

22.0%

沖縄県

12.1%

4.7%

19.3%

出典:日本看護協会 「2024年 病院看護・助産実態調査 報告書」

この傾向から、都市部では看護師の離職率が高く、地方では比較的低いことがわかります。背景として、都市部は医療機関が多く転職しやすい環境が整っていることや、地方では親族と近くに住む人が多く、育児などで周囲の支援を受けやすいことなどが影響している可能性があります。

看護師が離職する主な4つの理由

看護師の離職率が高い主な4つの理由

では、看護師の離職率が高くなる要因はどこにあるのでしょうか?ここでは、キャリアアップやスキルアップ等のポジティブな理由で退職する場合を除いた、離職の主な理由を4つ解説します。

職場での人間関係に悩みがある

まず挙げられるのが、職場での人間関係での悩みです。看護師が携わる仕事は人の命に関わるため、ミスに対するプレッシャーが重く、指摘も厳しくなりがちです。人間関係の悩みの種類には、主に下記のようなパターンがあるでしょう。

・パワーハラスメント
・セクシュアルハラスメント
・いじめや嫌がらせ
・コミュニケーション不足による意思疎通の齟齬、連携不和

労働環境が悪い

人手不足の環境下では、1人あたりの業務負担が大きくなる傾向があります。看護師は24時間体制での業務が必須であり、その働き方の構造上、過酷な勤務体制が避けられない実態となっています。夜勤や急患対応などで心身の疲労から退職につながるケースも見られます。

また、看護記録の記入や引継ぎを始業前や終業後に行うことが常態化している病院やクリニックもあり、いわゆる「隠れ残業」が負担の増加につながる場合もあります。特に、小規模病院では、夜勤免除や、時短勤務などの制度が整っていない場合が多く、職員の満足度が低くなりやすい傾向にあります。

<看護師の労働環境>
・夜勤勤務がある
・2交代制・3校体制勤務である
・看護師記録や急患の対応
・休日出勤がある(勉強会・研修・委員会)

一定の夜勤回数を超えた場合、手当を増額する仕組みはあるものの、半数以上の病院が対応しておらず、仕事量に見合った給料がもらえていないことも離職の原因となり得ます。

結婚や妊娠といったライフステージが変化する

看護師には女性が多いため、結婚や妊娠・出産といったライフステージの変化を機に退職する人も多いです。福利厚生や労働環境が整っている病院であれば残ることも考えられますが、小規模病院で産休や育休が取りにくい場合、待遇の良い他の病院へ転職することも選択肢になってしまいます。

患者との関係性がうまくいかない

看護師は患者と直接接する職業であるため、患者からの暴言やストレスを受けやすく、それを理由に退職するケースもあります。特に新卒採用の看護師の場合、経験不足から患者に信頼してもらえないなどの理由で、コミュニケーションをうまく取れないこともあるでしょう。

患者さんとの信頼関係の築き方については以下の記事で紹介しています。

ここまでご紹介したように、人間関係や労働環境の悪さは看護師のモチベーション低下につながり、離職につながることはもちろん仕事のパフォーマンスにも大きく影響します。そこで、次章では、看護師の離職を防止するためにできることをご紹介します。
「離職していく看護仲間が多い・・・。」「看護師職員が定着する職場環境はどのように作るんだろう。」とお悩みの方はぜひご参考ください。。

【離職防止策】看護師に長く働いてもらうために看護管理者ができることとは?

離職を防ぐためには、職場環境の改善や相談体制の整備など、組織としての継続的な取り組みが欠かせません。
実際、2025年6月の医療機関・介護施設を対象とした調査では、約8割の事業者が定着促進策に取り組んでいると回答しており、「十分な看護師人数の配置」「残業時間の削減」「相談窓口体制の整備」などが主な実践内容として挙げられています(PR TIMES調べ)。

外部リンク:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000397.000013298.html?utm_source=chatgpt.com

看護師の離職防止のために看護管理者ができることは、主に次の4つがあります。

福利厚生の充実

まず重要になるのが福利厚生の充実です。看護師が働いた時間に見合う分の給料の提供や昇給制度の見直しを行う必要があります。ほかにも、育休制度や産休制度、健康診断の充実など、プライベートを支援する福利厚生を充実させることで、ライフステージに変化があっても安心して働き続けられる環境が整い、結果として離職せずに残ってもらいやすくなります。
ただ、福利厚生の充実、特に給料や昇給関連の改善は病院の経営に直結するので、すぐに実現することは難しいでしょう。

仕事のオンオフを明確にする労働環境整備

福利厚生を充実させても、労働環境の改善がなければ離職防止にはつながりません。改善事例としては以下が挙げられます。

・夜勤や交代勤務の負担軽減
・休日出勤の見直し
・柔軟なシフト制度の導入

負担を軽減するには労働時間を減らすことが効果的であり、残業時間を削減するためには「仕事のオンオフを明確にした職場環境づくり」が大切です。先述のように、看護師は2交代制や3交代制勤務の引継ぎを始業時間前や終業時間後に行うことが慣習化していたり、それぞれ勤務時間が異なるため誰がどのくらい残業しているのかわからなかったりします。

残業時間削減の方法としては、現場の働き方に関する意識を醸成することに加え、ユニフォームの色を日勤・夜勤で使い分けるなどして視覚的にオンオフをつける方法があります。これにより、現場で働く看護師本人の意識を高めるだけでなく、管理職や他職種から見たときにも残業しているかどうかが明確になり、「年間900時間の残業時間の削減」につながった大学病院もあります。

残業時間を減らすための職場づくりについては、以下の記事で紹介しています。

職場で良好な人間関係を築き、協力し合える体制を整える

職場の人間関係を良好に保つことも離職を防止するうえで重要です。信頼関係を築くために上司と部下で1on1ミーティングを実施したり、気軽に意見を交換できる場を設けたりすることが大切になります。

また、看護師間で協力し合える関係性を構築するための工夫も行うと良いでしょう。チームナーシングやパートナーシップ・ナーシング・システムといった看護体制を採用したり、情報共有の精度を上げたりする取り組みがおすすめです。こういった制度を導入していれば、患者との関係性がうまくいかないという悩みに対しても、相談やアドバイスがしやすい環境を作れます。個人がストレスを抱えている場合は、互いにサポートしやすくなります。

先述した日勤者と夜勤者が区別できるユニフォームの色分けは、役割の違いを明確に示しつつ、業務を引き継ぐ際の協力体制を強化させる施策としても効果を発揮します。

看護師のモチベーションが上がる職場にする

ここまでご紹介してきた解決策以外にも、看護師のモチベーションを向上させる方法を探していくことが重要です。看護師のモチベーションが高まれば、離職率を下げ、定着率の改善につながります。
その施策の一つとして、毎日着るユニフォームを快適でおしゃれなものに変える方法があります

例えば、オンワードコーポレートデザインの「champion」ブランドのメディカルウェアは、動きやすさとデザイン性を兼ね備えており、実際に都内の病院で導入したところ求人応募数が増加した事例もあります。都市部では複数の病院から就職先が選べるため、「ユニフォームの魅力」が選択理由のひとつになりやすい傾向があります。

さらに、ユニフォームが看護師のモチベーションや定着率に影響を与えることは研究でも裏付けられています。「医療用ユニフォームの採用条件の違いが看護師の心理やチーム医療にもたらす効果」に関して研究した学術論文では、通常のユニフォームと比較して、好きなユニフォームまたは話し合いで決めたユニフォームを着用した場合に、仕事に対するやりがい感が強くなったという結果が示されています。

出典:医療用ユニフォームの採用条件の違いが 看護師の心理やチーム医療にもたらす効果

看護師のモチベーションを上げる方法については以下の記事で紹介しています。

毎日着るメディカルウェアの更新で、職場改善を

メディカルウェアの色分けをすることで生産性の向上が期待できるだけでなく、メディカルウェアの改善によって患者に安心感や信頼感を与えることもできます。

デザイン性・機能性を両立させたオンワードコーポレートデザインのメディカルウェア

オンワードコーポレートデザインでは多くのアパレルブランドを展開しており、そのノウハウを生かしてデザイン性と機能性に優れたメディカルウェアブランド「Raffria(ラフィーリア)」を展開しています。

弊社では、豊富なカラーバリエーションをご用意しており、患者様の目に優しいカラー、肌馴染みの良いカラー、職員が着たいカラー、など多くの選択肢の中からお選びいただけます。また、各職場に合ったウェアの提案も可能です。

<ラフィーリアのメディカルウェアの特長>
・アパレルメーカーだからこそできる高いデザイン性
・ラフィーリアにしかない充実したカラーバリエーション(肌馴染みの良いくすみカラーやニュアンスカラーもご用意しており、病院を明るくできます)
・医療従事者の快適な業務を支える品質・耐久性
・商品の開発からお届けまでにおける環境配慮

以下の資料では、看護師だけでなく、医療従事者の人手不足の解決策や、メディカルウェアの選び方について詳細に紹介しています。人材獲得にお困りの企業様はぜひご覧ください。

お役立ち資料

医療従事者が辞めない職場づくりのアイデア
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「ラフィーリア」総合カタログ(156P)
「ラフィーリア」総合カタログ(156P)

アパレルメーカーのオンワードコーポレートデザインだからこそできる品質とファッション性を両立させた医療白衣ブランド「ラフィーリア」の総合カタログ(156p)です。

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